
競輪は、自転車を使った公営競技のひとつで、日本全国の競輪場で開催されています。
選手たちは「競走」と呼ばれるレースで順位を競い、観客はその結果に応じて発売される「車券」を購入することで楽しみます。
しかし、競馬やボートレースに比べてルールが複雑だと感じる人も少なくありません。
この記事では、初心者でも理解しやすいように、競輪の基本ルールから反則行為、勝敗の決まり方まで徹底的に解説していきます。
レースの基本ルール
出走人数と距離
1レースには 7人または9人 の選手が出走します。
走行距離は競輪場によって異なり、2000m前後(5周〜6周程度) が一般的です。
自転車のルール
競輪で使用される自転車は「ピストバイク」と呼ばれ、変速機やブレーキがついていません。ギア比は統一されており、選手の脚力と戦術が勝敗を大きく左右します。
スタートと先導員
競輪のレースはスタート直後から全力で競うわけではありません。序盤は「先導員」と呼ばれる選手が前を走り、ペースを作ります。
先導員は残り 1周半〜1周 の地点で退避
そこから本格的なスパート合戦が始まります
この独特のルールにより、最後の1周は見どころ満載の白熱した展開となるのです。
ラインとチーム戦術
競輪の大きな特徴が「ライン戦術」です。
選手は同じ地区や脚質に応じて 複数人で連携 し、レースを有利に進めます。
先行型:風よけになって全力で逃げる
番手型:先行選手の後ろについて差しを狙う
捲り型:残り1周で一気にスピードを上げて外から勝負
追込型:ゴール直前で番手から差し切る
この「ラインの駆け引き」が競輪の最大の魅力であり、予想の難しさ・面白さにもつながっています。
勝敗の決まり方
勝敗は単純に「誰が一番先にゴールするか」で決まります。
ただし、競輪では集団走行の中での位置取りや連携が重要なため、単純な脚力勝負ではありません。
ゴール時は 前輪の先端が決勝線を越えた瞬間 が判定基準
着順は 審判員や写真判定 によって決定される
反則行為と失格
競輪は集団での接触が多いため、選手の安全を守るために厳格なルールが設けられています。代表的な反則は以下の通りです。
押圧:横に寄って他選手の進路を妨害する
斜行:不自然に進路を変えて後続をブロックする
押し上げ:外側の選手をコース外へ押し出す
押し下げ:内側へ強引に寄せる
走行妨害:ハンドルや身体で接触し相手を倒す
反則の程度によっては「失格」となり、そのレースでの着順が取り消されます。
競輪場ごとのルールの違い
日本の競輪場はバンクの大きさや形状が異なります。
333バンク(小回りで直線が短い)
400バンク(標準的で多くの競輪場が採用)
500バンク(直線が長く、捲り型に有利)
バンクの特徴によって戦術が変わるため、予想にも影響します。
賞金とランク
競輪選手は成績に応じて「S級」「A級」などにランク分けされます。
G1・G2・G3といった大きな大会では数千万円の賞金がかかり、ルールを熟知したうえで戦う必要があります。
初心者が観戦で注目すべきルール
先導員退避のタイミング
ラインの並び順
ゴール前の進路取り(斜行がないか)
反則による着順変更の可能性
これらを意識すると、ただの観戦から「競技としての理解」に一歩近づけます。
まとめ
競輪のルールは一見すると複雑ですが、押さえておくべきポイントは以下の通りです。
出走人数と距離は決まっている
先導員がいて、残り1周から本格レース開始
ライン戦術が勝敗を左右する
反則行為は厳しく裁定される
バンクの特徴で展開が変わる
初心者の方はまず「先導員退避からゴールまでの駆け引き」に注目しながら観戦すると理解しやすいでしょう。